青森県・夏泊半島突端に位置する椿山と、秋田県男鹿半島の南にある能登山は、ともに大正11年(1922年)10月12日、「ツバキ自生北限地帯」として国の天然記念物に指定された。 ここで興味深いのは、夏泊半島と男鹿半島は200kmも離れた土地でありながら、どちらも北限地帯として一括して指定された点だ。普通に考えれば夏泊半島の方が緯度が高いので男鹿半島まで指定されるのは不思議であるし、北限「地帯」と広範囲を指定するほど連続性は全くない。 そこで想像したのは次の3つだ。すなわち・・・ 1.当初男鹿半島だけ知られていて、指定直前になって夏泊半島にあるのが発覚した。男鹿には指定の通達をしていたため、取り消しできずに2ヶ所同時指定となった。 2.夏泊半島の指定に対し、秋田県が強力に陳情して追加指定となった。 3.当時、文部省の役人にとって、青森も秋田も岩手も本州最北の地、ぐらいの認識しかなく、双方近いだろうから「北限地帯」としてどちらも指定することにした。 すりぶるとしては3番が正しいかなと思っているが、他にも説があったらお聞かせ願いたい。 |