おいらせ町いちょう公園 自由の女神像


 この冬は白鳥たちにとって受難の冬であった。平成20年4〜5月、十和田湖や北海道野付半島で鳥インフルエンザに感染した白鳥の死骸が見つかり、それまで白鳥に餌付けを行っていた飛来地で、餌付けの自粛がなされたからだ。
 もともと白鳥はアマモ、マコモなどの藻類や水田の落穂、河川の枯れ草を餌としており、おいらせ町間木堤などの餌の乏しい飛来地では、飛来数が1/10以下に激減したという。一方、蓬田村沿岸部や青森市赤川など餌の豊富な場所で、以前より多くの個体数が観察されている。
 北国では雪に閉ざされる冬期間に餌が乏しくなるわけだが、特に今年は空腹を満たすため住宅密集地に移動するケースがたびたび見られた。本来鳥インフルエンザの感染を防ぐための餌付け自粛が、かえって不特定の住民に危険性をもたらすことになりかねないという事実に、自治体関係者は目を向けるべきであろう。


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