異変・八甲田−地球温暖化の現実

 2007年と2008年は記録的な暖冬が2年連続し、平地はもちろんのこと、八甲田山系においても降雪量が大幅に減少した。このことにより八甲田山の豊かな自然を形成する湿原が乾燥化し、植生の異変が急激に進んでいる。
 さらに、2008年は4月に入ってから高温が続いたことで一斉に木々が芽吹き、その後5月になると一転して低温状態となった。そして5月中旬に青森県の広い範囲で霜やひょうが降りたのである。この降霜・降ひょうによりリンゴをはじめとする農業被害は日を追うごとに拡大している。八甲田においても、ブナなどの落葉広葉樹が新緑の最も低温に弱い時期に霜の被害にあったため、そのまま枯れ木の様相を呈している。
 地球温暖化というと、平均気温が高まることばかりをイメージしがちであるが、実際には極端な高温と低温を繰り返すのも地球温暖化現象の現れである。専門家の推測によると、このまま地球温暖化が進めば白神山地のブナ林は、2100年までに消滅するとのショッキングな推測が発表された。しかし、今年の八甲田山の状況を見る限りは、すでにブナ林消滅への歩みは予測以上に急激に早まっているように感じられた。
 このページをご覧になった皆さんは、地球温暖化による身近な環境の急激な変化をご理解いただけたと思う。ぜひこのギャラリーをきっかけに、エネルギー消費の節約を心がけていただきたいと願う次第だ。

田代平のレンゲツツジ、一見いつもと同じ風景に見えるが・・・

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撮影地:青森市田代平
撮影日:2006年・2007年・2008年
撮影機材:OLYMPUS E-3、E-500、SONY DSC-R1