「ねぶた2008」シリーズも、これが最終のギャラリーとなる。8月7日は昼の合同運行のあと、ねぶたの海上運行と花火大会が開催されるが、今年は初めて海上運行の船に乗り、船上から花火大会を鑑賞できた。海上運行の船上で繰り広げられるお囃子風景をご覧いただきたいと思う。

 ここで、撮影に用いた機材についてインプレッションを述べたいと思う。
 メインで用いたOLYMPUS E-3だが、オリンパスならではのバランスのいい発色で、祭りの撮影には適したカメラだといえる。特に従来機種に比べて赤の発色が鮮やかで、過去のねぶたを撮影した画像と比べても、はっきりとその違いがおわかりいただけるはずだ。E-3の特徴である高速AFであるが、暗所ではAFがうまく作動しないことが多く、失敗画像を大量に生み出してしまった。E-3のAFはC-AFの追従性が悪く、オールターゲットモードでは中央以外の測距点が十分機能しないなど、まだキヤノンやニコンに比べてAFが弱く動態撮影には厳しい。E-3のもう一つの特徴であるフリー・アングル・ライブビューも、夜の祭りではレスポンスが悪く実用に耐えなかった。
 ニコン機についてだが、D200を下取って購入したD300は、D200同様赤の発色が朱色に転じる点や、ノイズ対策のため暗部の色を抜いてしまうことからねぶた向けとは言えず、最初から撮影に用いることは考えていなかった。ニコン機の場合エントリー機のほうが色が良く、jpgの発色も鮮やかで祭り向きなので、ちょうどキャッシュバックが始まったばかりのD60をD300のサブ機として購入した。D60のAFは測距点が3点だが被写体が暗くても正確で、VR18-200mmレンズと組み合わせることでオールマイティーに撮影を楽しむことが出来る。ただし初期設定だとコントラストが強いため、お持ちの方は画像に係る設定値を変えて撮影されることをお勧めしたい。
 ねぶたの撮影方法については、昨年のギャラリーで詳細に述べたつもりであるが、ブログなどに掲載される画像を拝見すると、ホワイトバランスをオートにしたり、フラッシュを発光させていない例が多く見られる。いきなりねぶたをフラッシュ撮影しても思い通りの写真は撮れないので、祭り開始前にさまざまな設定で発光体を撮影し、ベストな撮影条件を押さえておいた方が良いだろう。

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撮影地:青森市内
撮影日:2008年8月7日
撮影機材:NIKON D60 18-200mm