ねぶたギャラリー本編part3ではねぶた祭りの撮影法についてお話ししてみたい。ねぶた本体内部にはたくさんの電球や蛍光灯が埋め込まれ、それを台車に備え付けた発電器で発光させている。それゆえねぶたそのものはかなり明るく、特にカメラを増感させなくてもコンパクトデジカメで充分きれいに写せるはずである。しかしこれでは跳人やお囃子の歓喜の表情が黒くつぶれて記録できない。そのためフラッシュを発光させることになるのだが、コンパクトデジカメのフラッシュは発光量が少なく、遠くの被写体に届かなくなるため、かえって全体的に暗い画像になってしまうことになる。

 やはりお勧めしたいのは一眼デジカメと外付けのフラッシュの組み合わせである。特に大光量のフラッシュであれば、光が廻って遠くの被写体でも写せるため、撮影場所を移動できない場合には有効である。ただし、この場合フラッシュの光量とデジカメの露出のバランスがシーンによって大きく変化するため、そのコントロールには勧と慣れが必要だ。

 私のように毎年ねぶたを撮り続け、ねぶたの撮影に慣れているつもりでも、新しい機種を導入した場合は一発でいい写真が撮れない。必ず前夜祭やねぶたの初日に足を運び、カメラの露出とフラッシュの光量を調節していい条件を探し出し、本番に備えることにしている。露出やフラッシュ光量の補正値はデジカメの機種やフラッシュとの相性により異なるので、ここに推奨値を書いても意味がないが、ねぶたを撮るときはねぶたの色を引き出すためにフラッシュ光量をマイナス補正で撮影している。

 フラッシュ撮影では人やねぶたが動いた輝線を残すためシャッタースピード優先でシンクロ撮影が特に有効であるが、シャッタースピードを何秒に固定するかについても勧と慣れが仕上がりを大きく左右する。すりぶるはシーンに応じて1/8秒〜1/30秒の間を切り替えていることが多い。1/8秒よりも遅くし、さらに動感を出すこともできるのだが、顔の判別がわからないほどになってしまうため、あまり遅すぎないようにしている。

 ねぶた撮影で毎回心がけている重要なポイントを一つだけお教えしよう。それは背景に注意するということだ。ねぶたの背景にネオンサインが浮かんでいたり道路標識がフラッシュで光っていては、せっかく綺麗に撮れたねぶたが背景の発光体に邪魔されてしまう。ネオンや標識が写らないように撮るというのは、実はかなり神経を集中させなければならないのだ。こうした点にも注目しながらねぶたのギャラリーをご覧いただけると幸いである。

“ねぶた大賞”を受賞した青森山田学園

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撮影期間:2006年8月2〜6日
撮影機材:OLYMPUS E-500 14-54 mm 7-14 mm, NIKON D200 18-200 mm