ねぶた祭りでは期間中、ねぶた本体と運行・囃子・跳人(ハネト)に対して点数化し、その総合点で各賞が授与される。最優秀賞は“ねぶた大賞”、以下“知事賞”、“市長賞”、“商工会議所会頭賞”、“観光コンベンション協会賞”と続き、各団体とも栄えあるねぶた大賞を獲得するためしのぎを削っている。

 ねぶた大賞のウェートが高いねぶた本体の点数を高めるために、ねぶた師たちは新たな題材を求め、いかに大きく豪華に見せるかをチャレンジする。しかし、ねぶたの大きさは運行に支障がないようサイズに制限があり、昨年からサイズの測定は運行団体に委ねられていた。その結果、今年基準を上回るねぶたが製作されてしまい、2団体のねぶたが信号に接触するなどの交通支障を招いたため審査の減点処分が科せられた。すりぶるはこの2団体のねぶたがとてもダイナミックで高い評価をしていただけに、今回の処分は残念でならない。今後ねぶた師たちは規格を守ろうと大きな冒険をしない可能性もあり、来年のねぶた作りに影響が出ないか心配である。

 気になる点がもう一つ。ある団体では跳人の点数を上げるために、アルバイトの跳人を雇っているとのことである。組織力の高い団体は自ずと運行・囃子・跳人で高い点を獲得できるだろうが、そうでない団体はどんなにねぶた本体の点数が高くても、自由参加の跳人に点数を委ねていては入賞することができないのである。ねぶたに賞を与えるのは祭りの未来への牽引力となるので続けるべきと思われるが、ねぶたの本体だけを最優秀賞であるねぶた大賞の評価の対象にして欲しいものである。

青森パナソニックねぶた会「五大明王 曼茶羅」千葉作龍 作
五大明王の手が細かく作られた労作。体色が原色だったらもっとインパクトがあったかも。

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撮影期間:2006年8月2〜6日
撮影機材:OLYMPUS E-500 14-54 mm 7-14 mm, NIKON D200 18-200 mm