イルカ求めて・むつ湾フェリーの旅6

 青森県内を桜前線が通り過ぎる頃、陸奥湾にやってくるのがカマイルカの群れだ。例年であればカタクチイワシの群れを追って5月中旬から6月中旬までの約1ヶ月間がイルカウォッチングの時期となるが、今年はいつもとは違っていた。6月始め頃ピークとなる群れの数が、季節外れの台風となった温帯低気圧が5月30日に通り過ぎてから、一気に数が減少したのだ。
 その理由としていくつか考えられよう。まず台風崩れの低気圧の影響だ。この季節は普段は安定した気候が続くが、低気圧によって海洋環境が変化したのかもしれない。
 それよりも可能性が高いのは地震と津波の影響だ。カマイルカは春先に東日本の太平洋を北上することが観察されており、ちょうど地震が起こった頃に三陸〜福島沖を遊泳中だったのかも知れない。たとえ泳ぎの速いカマイルカでも、時速100kmを超える津波に巻き込まれて群れが崩壊してしまったことも考えられる。
 そして記録的に早い関東地方以西の梅雨入り、さらに沖縄の梅雨明けだ。例年東北地方が梅雨入りするとイルカの姿がぱたりと消えており、早く来る夏をイワシもイルカも察知して早めに北に移動したのかも知れない。
 そんなわけで、今年は乗船回数が多かった割りにイルカに遭遇する機会が少なかった。しかし、5月下旬に極めて活発に船に付いて来る群れがあり、そこでのシーンを中心にギャラリーと動画をアップしてみた。

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撮影地:むつ湾フェリー船上
撮影日:2011年5月
撮影機材:NIKON D5000, TAMRON 18-270mm