青森市の堤川沿いに鎮座する諏訪神社には、その昔、イルカが群れをなして堤川をさかのぼり、月に一度神社のほとりに参拝に来たという伝説が残っている。その後、明治時代になって青函航路が開設され、春から夏にかけて連絡船からイルカが目撃されることは比較的知られていた。連絡船廃止後も、青森−函館間を航行する東日本フェリーからイルカを目撃したという話も相次いでいる。このように陸奥湾には昔から現代に至るまで、たくさんのイルカが陸奥湾を回遊していることはまぎれもない事実であるが、船上からイルカを撮った写真をこれまで目にすることはなかったし、イルカを見るためにフェリーに乗る人もいなかった。

青森県外ヶ浜町蟹田とむつ市脇野沢を結ぶむつ湾フェリーの船上からイルカウォッチングができるとして、今年からフェリー会社では「イルカいないかキャンペーン」を開始した。HPには便別のイルカ目撃頭数が毎日更新され、乗客へ記念品をプレゼントしているとのことである。本来は津軽半島と下北半島の交流を目的としたフェリーであるが、イルカウォッチングと陸奥湾の景色を楽しむ往復2130円の観光ツアーと考えれば非常に割安感がある。もしイルカが見られなくても、何度もチャレンジしてみようという気さえ起こる料金設定だ。

すりぶるは6回乗船したうち、5回もイルカを見ることができた。イルカは船の比較的近い位置で群れをなして泳ぎ、時々ジャンプしたりして、とても愛らしい姿を披露してくれた。このページをご覧の皆さんも、ぜひ身近な海のイルカウォッチングを楽しまれてはいかがだろうか。

諏訪神社「海豚の諏訪詣」図

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撮影日:2007年5月
撮影場所:むつ湾フェリー
撮影機材:OLYMPUS E-500, NIKON D200