今年の八甲田山は8月初旬頃からブナの葉を主食とするガ「ブナアオシャチホコ」の幼虫が大量発生し、8月中旬以降中腹のブナの葉が大規模に食い尽くされた。昨年はブナアオシャチホコの食害が田代平付近で確認されており、今年は周囲に一気に広がった様相を呈している。こうした現象は8〜11年周期で起こっており、クロカタビロオサムシなどの天敵の増加によって1〜2年で収束するとのことである。 気になるのはブナの木が枯死してしまわないかであるが、来年の新芽が食べられることはなく、影響はないとのこと。しかし葉を失い、樹勢が衰えたブナ林が気象条件や他の害虫の発生によって大規模に枯死した現象が1985年に発生しており、予断は許されない状況だ。 こうしたことから、今年のブナ林の黄葉は一部の地域を除いて絶望的で、カエデなどの陽樹の色付きに期待するしかなさそうだ。 |